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もてなす、ということ

出面(でめん)さん、というと主に北海道で、農作業を手伝う日雇い労働者やパート従業員を指す言葉として使われます。とGoogleが説明してくれた。出面さん、というわけではないのだけれど、ちょうど去年の今ごろからうちのファームではボランティアワークと銘打ってお手伝いに来てくれる自発的かつ優しい仲間と一緒に敷地内のいろんな作業を一緒にやる時間をとっている。不定期開催だから大々的に宣伝などもしておらず、たがいに顔を知っている範囲内、ゆるく繋がる仲間たちが馬に会いに気がてら、この場所を訪れてくれるわけだ。

昨日は妻のお友達(お母さん)とその中一になった娘さんが東川からやってきた。常に人手不足のファームは猫の手も借りたいほどやることがたくさんある。昨日は放牧地に忌々しく根を張るギシギシ(蓼科の多年草、オカジュンサイとも)を引っこ抜く作業を一時間半ほどやってもらった。普段その親子は乗馬クラブにいる馬には親しんでいるものの、途中、放牧地に様子を見にくる馬たちに囲まれながら、距離を詰められながら、その馬らしい生態を間近で知ることができ、とても満足した様子だった。乗馬クラブのような施設や環境に馴染みがなく、放牧地を駆け回る馬たちを眺めることが日常生活に溶け込んでしまっているわたしにとってみれば見慣れた風景でも、そうでない人たちにとっては貴重な体験になると思うとこのような場所をつくってみて(大変なこともたくさんあるけども)よかったなぁと感じるのである。